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【色柄ユニーク!】多肉植物カランコエ属の様々な種類や育て方をご紹介

目次

カランコエ -KALANCHOE-

モケモケの葉やユニークな色柄が目を惹くベンケイソウ科カランコエ属の仲間たち。

カランコエは主に、一般の草花のような「お花の鑑賞用として販売されているタイプ」↓と、上の写真のような「多肉質の本体をメインに楽しむタイプ」↑に大別されています。

↑お花を楽しむタイプのカランコエ 。葉は概ね薄い多肉質で、品種改良により様々な色や形の花が作られている。短日植物(1日の日照時間が減ってくると開花する)なので日光に当てる時間をカバーなどで調整すると早い時期から長く開花を楽しめます。

町の園芸店などではお花タイプの取扱いがやや多めですが、後者の多肉タイプも流通量はかなり多めなので、多肉植物を置いているお店であれば手に取りやすい種類のグループです。
今回はこの多肉タイプを中心にご紹介していきます!

カランコエ 紅唐印(デザートローズ/ K. luciae)
↑冬季に縁取りが真っ赤になる「紅唐印デザートローズ/ K. luciae)」

宇宙に行ったカランコエ

1971年にソ連が打ち上げた世界初の有人宇宙ステーションに運び込まれた植物のひとつもなんとこの「カランコエ」だったそうです。
宇宙空間での植物栽培技術の発展に貢献するばかりでなく、船内での閉塞感や孤独からうつ状態に陥っていた乗組員の心を癒したとの記録が残っています(’life tree 生命の木’と名付けられて大事にされていたそう)。品種までは不明ですが地上とのテレビ通信の際にはいつもそのカランコエが映されていたとのことです。

カランコエの様々な品種
どの品種だったのでしょうね💡

カランコエの原産地は日本にも!

そんな素敵な逸話のある素敵なカランコエ 。
「多肉植物」としてのカランコエはその見た目も多種多様で、主にマダガスカルやアフリカの南部〜東部、またアジア諸国(主に南方)などに150種類近くが自生している大きなグループです。
ベンケイソウ科の多肉植物ではセダムやクラッスラに次いでエケベリア属に肩を並べる品種(原種)の多さ。日本でも沖縄に自生種(リュウキュウベンケイ:現在野生では絶滅)があります。

カランコエ 
↑ まるでかわいいクマさんのような園芸品種「テディーベア(K.tomentosa’Teddy bear’)」

カランコエの様々な品種をご紹介

カランコエの仲間は、全体が微毛に覆われた小動物のような品種や、派手な色柄が目を惹く品種、草姿やそのふえ方が珍しい個性的な品種など、非常にバラエティーに富んだ面白い顔ぶればかりです。
どの種も時間をかけて群生しながら数十センチの木立形になります。なかには数メートルにもなる品種も!

樹木タイプの品種

カランコエ 

左:「ヒルディブランディ(K.hildebrandtii)」マダガスカル原産。枝分かれしながら最大4mまで育ちます。ただし耐寒性がさほどないため、日本で育てる場合は地植えが出来ず、あまりサイズは出ないようです。

右:「天人の舞(K.orgyalis)」マダガスカル南部原産。岩だらけの荒野の低木の間、または非常に乾燥した砂地に自生しているそう。こちらも約2mまで低木状にゆっくりと育ちますが、同じく寒さに弱めです。

◎人気のうさぎシリーズ◎

カランコエ 
↑左端から「ショーガール」「黒兎」「アンゴラ兎」「月兎耳」「ゴールデンラビット」「星兎耳

月兎耳(つきとじ K.tomentosa)」をはじめとする有毛種は、まるでウサギの耳のようなその姿から通称「うさぎシリーズ」と呼ばれ、属の代表的な品種となっています。
多くはその月兎耳から交配を重ねて、色々なタイプのかわいいウサギたちが作られています。

現地の強い日差しから身を守る為にこの微毛を纏っているといわれており、どの種も年間を通して日光を好みますが、夏場の蒸れや極端な暑さは苦手です。夏場は水やりを控えめに、直射日光は避けてなるべく涼しく夏越しできるようにしてあげてくださいね。

独特な色柄の品種

カランコエ 

独特の色柄が目を惹く3種、左から「江戸紫(K.marmorata)」「フリミス(K.humilis)」「不死鳥(K. cv. ‘FUSHICHO’)」。紅葉の時期にはそれぞれに模様がよりくっきりと色づきとても綺麗です。
どこか強そうな外見ですが、カランコエは他の多肉植物と比べても全般的に寒さに弱いので冬季は10℃を下回り始めると急な冷え込みに注意をし、5℃になる前には明るい室内に取り込んであげた方が安全です。

カランコエ 
↑冬季にやや痛んでしまった「胡蝶の舞(K. laxiflora)」。まともに寒さに当たるとこのように妙な色合いとぐったりした様子になり、ひどいとこのまま枯れてしまいます…こうなる前に早めに室内へ。

ぽろぽろと仔株を出す子宝系品種

カランコエ 
↑葉先に沢山の仔株を付けた「不死鳥

前項でも紹介した「不死鳥」「胡蝶の舞」のように、カランコエの一部には葉先の切れ込み部分に成長点を持つ品種があり、そこに新たな仔株を付けるという変わった繁殖法を行う種類もあります(通称「子宝系」)。
仔株はある程度育つとポロポロと地面に落ちて、あっという間に殖え広がります。海外では’mother leaf’と呼ばれ、国内でも縁起物として流通することがあります。

カランコエ 
↑葉先の生長点から仔株を出している様子。 左: 「胡蝶の舞」と右:「マルニエリアナ(K.marnieruana)」

カランコエの育て方 日光・水・温度

  • 日光は好みますが蒸れは苦手です
  • 冬の寒さはもっと苦手です(品種にもよります)

多肉系カランコエの多くは日光を好むため、基本的に屋外の日当たりの良い場所で育てます。過ごしやすい春や秋によく成長し、真夏と真冬は生育が鈍るのが一般的な成長サイクルです。

 基本的には通年直射日光下で育てることが出来ます。しかし梅雨や真夏など高温多湿が続く時期には、風通しの良い半日陰などに置くと傷みにくくなります。真冬に室内に取り込む場合は明るい窓辺で育てます。

 カランコエの原産地の多くはいわゆる乾燥地帯ですが、茂みや草原の岩陰など比較的保水力のある場所に自生する場合も多くありますので、お水には寛容です。そのため春や秋の成長が盛んな時期には2週間に1回程度たっぷりと潅水します。梅雨時期や真夏・真冬はやや水やりを控え(断水も可能です)、耐候性を上げてダメージを予防します。

 カランコエは暑さへの耐性は高めですが、耐寒性は弱めです。冬場は5℃を下回りそうになったら明るい室内へ取り込むのが安全です。しかし、関東以南であれば、真夏同様水やりを控えて霜や雪に当てないよう気をつけ、ビニールや不織布などで周りをしっかりカバーしてあげると屋外でも冬越し可能な場合があります。わが家でも通年同様の屋外管理をしています。(夏38℃ ~ 冬(瞬間)-4℃)
※寒さが苦手なカランコエでも「不死鳥」は比較的寒さに強い印象です。何年も屋外で寒い冬を越してくれています。

植え替えは成長の盛んながおすすめ。通気性の良い一般の多肉植物用土(細かめ)に、根鉢を崩して古い根を指で取り去り植えつけます。植えつけた後はしっかりと水やりを行ない、しばらく半日陰の場所で養生します。

カランコエは総合的に見ますと冬の寒さが一番の難所ですので、そこをうまく乗り切れば元気に育ってくれると思います!

カランコエ 
冬季は銀葉が桃色に染まり美しい「白銀の舞(K.pumila)」。春にピンクの花を咲かせ、大きな鉢植えにすると群生して綺麗です。

カランコエの増やし方

前述の「子宝系品種」のように、葉から仔株を出す種類の場合は、その仔株が育って根が出始めた頃に親株の葉から取り外して清潔な用土に植えつけます。
その他のカランコエは、元気な葉を茎から綺麗に取り外して「葉挿し」にしたり、また多くの場合は脇芽を出しながら群生していくので、程よいところで茎をカットして「挿し木」にするのが一般的です。季節は成長が盛んながおすすめです!

カランコエ 
↑葉の形が面白い「不死鳥」の変異タイプ

毒性に気を付けて栽培を!

最後に、沢山の個性的な品種を楽しめるこのカランコエですが、実は全草に毒性があります(「ブファジエノリド」)。体内に取り入れると消化器の炎症や心臓の機能障害を引き起こす場合があるそうですので、ペットや小さなお子さまのいるご家庭では充分お気をつけて。(抽出しない限り含有量はさほど多くないという文献を見ましたが、一方で南アフリカの家畜の主な中毒症例としての記事もあり、気を付けるに越したことはないと感じました。)
ぜひ安全に栽培をお楽しみください!

参考リンク

カランコエの宇宙での話が出てくる記事(英文)

-今月のひとこと-

カランコエ 

この春、祖母が検査と手術で二度ほど総合病院へ入院する事になったのですが、コロナの影響で病室に面会に入れない状態が続いています。ただでさえ不調で心細いだろうに、更に不安や孤独を抱えてしまう、そんな方やご家族も今多いのだろうなと痛感しました。少しでも早く状況が落ち着いてくれたらと願うばかりです。

カランコエ属の特徴と育て方ページ Kalanchoe Introduction

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