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セロペギア属の特徴と育て方をご紹介!人気品種ボッセリの見分け方も!【独特な造形美】

セロペギア属の特徴と育て方紹介ページ Ceropegia Introduction attractive succulents
目次

セロペギア -ceropegia-

今回ご紹介する多肉植物は、ガガイモ科セロペギア属の仲間たち!
飛び去る龍を思わせる姿のものや、ごくシンプルな木の枝のようなもの、蔓のように長く伸びるタイプや根元に塊根を作るタイプなど、一般的な多肉植物の寄せ植え等で見かけるものとはまた違った、独特な魅力のあるグループです。

様々な種類のセロペギア various types of ceropegia 
↑水やり後の「シモネアエ(C.simoneane)左: nova , 右:green form 」。若い枝には節々の先端に小さな葉が付くが成長とともにポロポロと落ちていく。別段生育に問題はない。

セロペギア属とは?

セロペギア属はアフリカをはじめカナリア諸島や南アジア、オーストラリアなどに約200種が広く自生をしている多肉植物です。
地域にもよりますが多くは多少降水のある半乾燥性地帯で育っているので、生育期(暖かい時期)にはお水を好むものが多く、また比較的暑さにも強い印象です。

セロペギアの人気品種「ボッセリ」について

暗黒竜のような風合いのセロペギア ボッセリ (Ceropegia bosseri)

独特な暗黒色とその質感が目を惹く「ボッセリ (C.bosseri)」は数年前に有名なライフスタイル情報誌の植物特集に取り上げられたことで、一気にその名を広く知られるところとなりました。
連なった背骨のような節をゆっくりと持ち上げるように成長させ、自立できなくなるまで伸びると今度は地を這うように育っていきます。
マダガスカル原産で生育期にはお水を好みますが、蒸れないように風通しよく育てます。

ボッセリとギキーの違い(見分け方)

ちなみに、ボッセリによく似た「ギキー(Ceropegia gikyi)」という名の品種があるのですが、見分け方は「ボッセリは体表が黒っぽく、ギキーは赤茶色がかる」「ボッセリの花は花弁の先端が黒っぽいが、ギキーの花の先端は黄色っぽい(形状は同じタイプ)」、こういった違いがあるようですので、購入や栽培の際の参考になさってみてください。

セロペギアの育て方 日光•水やり•温度•用土

  • 耐寒性は低め 10℃を切ったら室内へ
  • 生育期(春~秋)は日光とお水を好みます

冬の管理

 セロペギアは基本的に耐寒性はあまりなく、どの品種も冬場10℃を下回るようであれば早めに室内に取り込んだ方が安全です。

 冬の間は休眠に近い状態となりますので、水やりも「軽めの散水を月1回程度」に控えます。

 日光を好むため、室内に取り込むまでは薄い遮光〜直射日光下でよく陽に当てて育てます。
室内に取り込んだ後は明るい窓際で育てます。ある程度寒さがあり水を控えている休眠様状態であれば、さほど強い光は必要としません。ただし室内が暖かければ徒長(間のび)してしまう可能性があるので、その場合は照明下に置くなど工夫をされてみてください。

照明下で謎の育ち方をしているシモネアエ

春から秋(生育期)の管理

 冬を越し最低気温が10℃を超えだすと屋外管理が可能です。

 春から秋にかけての生育期週1回もしくはそれ以上たっぷりと水やりを行ないます。「用土が乾いたらやる」くらいの感覚でも大丈夫です。あまり乾かすと生育が鈍るので、一般的な多肉植物よりは多めを心がけてみてください。

 日光を好むため、網戸越し程度の薄めの遮光(遮光率15%程度)で育てます。日差しの強すぎない時期は直射日光も可
陽が足りないと節と節の間が間延びしたり枝が細くなったりと、不格好になったり性質が弱ったりしてしまうので、蒸れないよう通風の確保や突然の日焼けには気を付けながら沢山陽に当ててあげてくださいね。

ボッセリ (Ceropegia bosseri)の根っことセロペギアの挿し木の方法
↑ボッセリの節から根が出ている様子。


 植え替えは暖かい時期に行います(5〜7月ごろが最適)。用土にはうるさくありませんが、基本的には通気性の良いやや細かめの用土が適しています。一般の多肉植物栽培用土(細かめ)に1/3ほどふんわりとした一般草花用土を加えても生育が良いです。

この時期、ボッセリなど節のある品種はその部分で分ける事ができるので挿し木が可能、また這性の品種は土に触れた部分から根を出すので、枝を優しく曲げてU字針金などで留め、土に触れさせておく「伏せ木」もおすすめです。
切り口からは樹液がしみ出て、ごく稀にかぶれる方もおられるようなのでご注意を!

ボッセリ (Ceropegia bosseri)の根っこと樹液
切り口から染み出す汁

その他の品種をご紹介

セロペギア ハートカズラ(C. linearis subsp. woodii)

日本では一番馴染みのあるセロペギア、南アフリカ原産の「ハートカズラ(C. linearis subsp. woodii)」↑です。街の園芸店やホームセンターなどでもしばしば目にする事ができます。
ハート型の葉をつけた蔓を長く伸ばしていき、またその途中に小さく丸いお芋のような「ムカゴ」をつけることがあります。(ムカゴは数枚葉をつけたまま植え付けるとそこから新しく根を出し、新たな株として育てることができますよ。)
見た目にも可愛らしくセロペギアの中では耐寒性もある方で、暑さにも強く育てやすい品種です!
ハンギングでの管理がおすすめ!

セロペギア ディモルファ(C.dimorpha)

茎から細く突き出た葉の基部が特徴的なマダガスカル原産の「ディモルファ(C.dimorpha)」。
花期にはその先端を蔓のように伸ばし、現地では長ければ3m近く周辺の低木の間を這い回り花を咲かせるようです。伸びたその枝先は花後に自然と乾燥し枯れ始めるためやや不安になるのですが、順調に育っていれば本体まで枯れこむことはないのでご心配なく!
根があまり強くないので生育期の水やりはこまめに行い、同時に蒸れが無いよう通風に気をつけます。

セロペギアの花

セロペギアの花
↑「シモネアエ(C.simoneane)左: nova , 右:green form 」の花。

セロペギアという属名の由来はギリシャ語の「keropegion(燭台、シャンデリア、ランプスタンドなどの意)」で、その独特な花の形を表現したものと言われています。
品種により違いはありますが、その名の通り蝋燭が立っているかのように見えるもの、パラシュートが開いているようなもの、基部が膨らみ先端に揺れる繊毛がついたものなどバラエティーが豊富です。
大体秋ごろに開花するものが多く、同属間での交配も可能です。

↑準備された花冠裂片の繊毛部(先端のネジネジ)が面白いシモネアエの蕾。開花後はその機構と香りで、めしべのある根元の膨らみまで花粉を媒介する虫を誘い込む。また花の多くは内部に微毛が生えており、一度入った虫を花が枯れるまで逃がさない形状になっている。
ボッセリ (Ceropegia bosseri)


非常に独特な姿で目を惹くセロペギアの仲間たち。そのやや気難しそうな(?)見た目とは裏腹に、寒さに気を付ければ比較的育てやすい植物です。
日本国内での流通はあまり多くなく、ハートカズラ以外は実店舗よりもネットショップやオークションサイトでの方が手に取りやすいので、ぜひチェックされてみてください!

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-今月のひとこと-

57年ぶりの東京オリンピックがなんとか無事開幕を迎えましたね。この記事を仕上げているのが丁度開会式の日だったのですが、開催への風向きの強いなか、また感染のリスクや不安も高まるなかでよく準備されたなぁと頭が下がる思いでした。
普段から自分自身も多肉植物育成という趣味を通じて国内外沢山の方とやりとりができ幸せを感じているのですが、今回の開会式も同様、ネットを通じて様々な国の方々が式中の音楽(有名なテレビゲームのテーマソング)や演出等に喜び合っている様子をリアルタイムに手に取ることができて、スポーツは勿論のこと音楽や娯楽、趣味等の「人を繋ぐ力」を改めて実感した素敵な機会となりました。あとは大きな事故等なく、感染等もできる限り最小限で閉幕することを祈るばかりです。

セロペギア属の特徴と育て方紹介ページ Ceropegia Introduction attractive succulents

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